購入すれば資産ができるが、賃貸では資産が残らず、家賃をずっと払い続けなければならない
最初のケースでは、購入のほうが、総支払額が1300万円以上も少なくてすみました。この分を積み立てておけば、金融資産もできます。
従来の「購入VS賃貸」という比較では、「賃貸は、月々の負担は軽いが、資産が残らない」「購入は、月々のローン返済は重いが、資産ができる」といった結論となり、どちらにもメリット・デメリットが出るような結果が多かったように思います。
しかし、現在の市況を前提にすると、月々の負担でも資産という点でも、購入のほうが有利になるといっても過言ではありません。また、購入する際の住宅ローンを全期間固定金利で借りれば、返済負担は変化しません。
前出の試算では、賃貸の家賃も最後まで変わらないことを前提にしていますが、実際には変動します。変わるとしても、一定の居住性を保っている賃貸住宅なら、家賃がこれから大幅に値下がりする可能性は低いのではないでしょうか。むしろ、将来の「負担が増えるかもしれない」という不安のほうが残ります。
もちろん、購入する場合にもネックはあります。最初に自己資金を多めに用意しなければならないことと、多額の住宅ローンを組むことです。仮に、収入が激減してローン返済が難しくなると、最悪の場合は、自宅を手放さなければならないかもしれません。
こうした心理的な圧迫感を引き受ける代わりに、無事ローンが終わったときに大きな財産が残るのです。リスクを取らなければリターンも得られないといえるでしょう。