リスクを取れば、資産というリターンが得られる
先ほどの例での最大のポイントは、価格の低下と低金利です。2008年時点ではリーマンショック前で価格も高めでした。その後、ある程度まで値下がりして、現在は買いやすい価格帯に落ち着いています。
それに加えて、超低金利状態が続いていることが、購入の負担を大幅に減らしているのです。賃料もやや下がってはいますが、購入の場合の価格低下と低金利というダブルメリットに比べると、負担軽減効果は大きくありません。
低金利の恩恵を活かすという点では、最近の金利優遇キャンペーンや政策によるバックアップも購入に追い風になっています。
たとえば、バリアフリーや省エネなど特定の条件に合うと金利が軽減されるフラット35Sは、2011年12月30日までに申し込むと、当初10年間の金利が1%軽減されます。これを使うと、ローン返済総額は、前項のケースで400万円以上も少なくなり、さらにおトクになります。
購入と賃貸を比べる場合、支払総額以外にも重要なポイントがあります。購入すると、住宅ローンの返済が終わった段階で、「無借金の資産」が手に入るのです。購入した中古マンションが35年後にどのくらいの資産価値になっているかはわかりませんが、ゼロにはなっていないはずです。
地震などで壊れない限り、物理的に建物は残るわけですから、一定の価値は持っているでしょう。これに対して賃貸では、物理的にも経済的にも何も残りません。